2012/07/30

夫婦

27/100



p.121
「いいことを教えてやる。赤い糸なんてのは、二人で紡いでいくものなんだ。別れずにどちらかの死を看取った場合のみ、それは完成する。赤い糸で結ばれたってことになる。」

新谷さんの助言は全部重みがあってずっしりくる。
その中でも一番心に残ったのが上記の台詞。
彼の言葉の強さがどこからくるのか、それは最後に。


p.141
自分の長所をアピールし合うのが恋愛なら、短所をさらけ出し合うのが結婚だ。もう相手を失う心配がないから、恋愛中みたいに、必死で相手を振り向かせようと努力することもない。
 それでもみんな結婚に憧れる。結婚する前の僕だってそうだった、相手の愛を得るための努力があまりにきついので、安心したくて結婚したのだ。安心を得る引き替えとして多くのものを失うことに、その時は気づかなかった。

どうなんだろう?
人の結婚式に行くと、人並みに感動する。
既婚者の友人や歳の近い親戚もそれぞれに幸せそうに見える。
でも自分自身は全く結婚願望もないし、
短所も割と出してるとは思うけど、今以上にさらけ出してる自分が想像できない。

結婚について考えると、いつも何かが引っかかるような気持ちになるのは何故だろう?

秋葉の胸中はまるで読めないけど、
渡部さんと新谷さんに共感した男性読者は多そう。


2012/07/29

GOLDEN EGG

26/100



最後の最後、
彼からの手紙に一番心が動かされた。
その手前まで進んでいれば、ある程度内容は想像できるけど、それでも。





p.357
カッコウの雛に罪はない。

2012/07/21

1969-2010

39/100


ウェスタン映画って今まで観たことあったかな?
時代劇以上に疎いジャンルかも。

今作の方がより原作に近いらしいと知って、

1969年の、勇気ある追跡を観てみたくなった。

2012/07/14

What is copyright?

24/100




p.9
はじめに  著作権とは何か

「著作権」という言葉が注目を集めています。
著作権とは、文学・映画・音楽・美術といった作品の創作者が持つ、その作品がどう利用されるかを決定できる権利のことです。
著作権の最大の存在理由(少なくともそのひとつ)は、芸術文化活動が活発におこなわれるための土壌を作ることだと筆者は考えています。
なぜなら、豊かな芸術文化は私たちの社会に必要なものだからです。
ですから、著作権をその目的に沿うように使ったり、設計することは、私たちにかせられた課題です。


そして、あとがき
p.209
ここで紹介した著作権をめぐるさまざまな問題は、ひと言でいえば「守られる権利」と「許されるべき利用」のバランスという問いに還元できます。

最初と最後にこの本のエッセンスが詰まってると思ったので引用させていただきました。

元々著作権という権利自体が曖昧で、
何のための権利であり法律なのか、分かるようでわかっていないのだと感じた。

クリス・アンダーソンのフリーにもあるように、
アトムの世界とビットの世界では考え方が違うと思う。
フリーの万有引力には誰も勝てない、という事は確かだけど、
その上でどう換金するか?それは工夫次第なのか、過渡期である今だけなのか。
そもそもマネタイズより評価なのか。

一番むずかしいのは文学と映画だと思うのだけど、
そのはっきりした解答はいまだに見たことがないし、
自分でも答えを見つけられるに至っていない。

日常の中に考える機会は沢山あり、混乱しがちなので、
考えを整理するためには最適な本の1つ。

2012/07/13

Glinka

38/100





2011年公開?
確実に損した。
何故映画館に足を運ばなかったのか?

Cate Blanchett出てるのに!
音楽Chemical Brothersなのに!

新しいアクション映画。
Tom Cruiseや、そのオルタナとしてのMatt Damon、
またAngelina Jolieとは全く違う存在。

似たような背景の主人公はいたけど、
そのアクションは今までとは違う何か。

SaoirseとEric、そしてTom達のアクション、
Cateの演技、
それに音楽がすべてかもしれない

特に冒頭効果音とセリフのみの世界から、
キックが鳴り始めた時の気持ち良さは形容しがたい。

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ここまで観終わってすぐベッドの中でのメモ。
熱い。
今思い返すと、アクションももちろんかっこいいんだけど、
各ロケ地の空気感がすごく良かったなぁ。
+音響を考えると、
本当に映画館行けばよかった。

2012/07/11

不確実性


p.4
(前略)全体を通したテーマが「不確実性」だったことに気づきます。

23/100




普段から
池田信夫Blog part2を購読しているような人であれば、
その一部分の纏め、だと思っても間違いではないかと。

もちろん、元々がセミナーの記録の加筆修正版なので、
金取ってるだけあって、話が深くて楽しい。

不確実性という言葉のとおり、過去の名著をもってしても、
結局経済学によって分かることには限りがあって、その限界はあまり高くない。
ただし大事なのは、著者達の思考プロセスを読み解き、それを応用するという事だと思う。
またそういった考え方をする人と、どう付き合うかという事も。

2012/07/09

22/100




個人的には、ヤバい経済学,予想通りに不合理と共に最高ランクに面白い一冊。
もう三年前の本なので、
各ウェブサービスについての記述が今となっては古臭い箇所が散見されるが、
それは大した事じゃない。


2012/07/03

口紅

21/100



加賀恭一郎シリーズは、
新参者が初体験で、
それからだいぶ経ってこの間麒麟の翼を読んで、
遡って今作に。

金森さんが初めて登場するけど、
この時はまだ「病院の人」「隆正さん担当の看護師」というだけの存在な事が少し意外。

今回は完全にコロンボ形式なので、
前原家のどうしようもない感じと、
加賀さんの推理が主。
それに、加賀家の話との対比。プロローグとエピローグに描かれた親子関係は、前原家のそれとは明らかに異なる。